ふじの木の観察から見えてきた疑問
研究タイトル=ふじの木のふしぎ
研究者=小倉永里(千葉県千葉市立星久喜小学校2年)
第46回自然科学観察コンクール 1等賞(小学校の部)
日本文化に昔から登場する優しく甘く香る藤。美しさの裏には、謎が隠されていたのです。花を咲かせる順番、花芽の大きくなる速さ、実を結ぶための花のつくり、花が枯れた後作られる鞘の落ち方や残りやすさ、よい実を残すための鞘の役割など、その疑問はなんと11もありました。これを4ヶ月絶え間なく細かい観察や実験から解き明かした点に脱帽です。写真を取ってしまうのは簡単ですが、自分の目で観察し、細かく記録し、丁寧なスケッチをするという、まさに自然科学研究の原点がすべて詰まった作品です。だからこそ、なるほど〜とうなずいてしまいます。そして、疑問に一緒に引き込まれてしまうのです。「花芽は太い枝に近い順にひとつずつつぼみを立たせ、茎を伸ばしていく」「花が枯れた後にできる鞘はほとんどが下に落ちてしまうのに、残った鞘が大きくなり、その中に大きい種がある」「鞘が大きくなる様子は花芽が大きくなる様子に似ている。」など、インターネットでは比べ物にならないより詳しい情報がぎっしり詰まった作品です。
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(文=長谷川仁子)
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