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科学自由研究のコンテスト受賞作品で「おもしろい!」と思った研究を紹介

人間ピラミッドの位置と重さ

研究タイトル=私はどこにしようかナ?
〜人間ピラミッドにおける位置と重さの関係に関する考察〜
研究者=河合千晶さん(小学5年生)

第46回自然科学観察コンクール 秋山仁特別賞

 運動会や体育の授業などで行われる人間ピラミッドは、どこの位置が大変でどこの位置が楽なのでしょう。また、どのようにすれば安定した人間ピラミッドを作ることができるのでしょう。人間ピラミッドをしたことがある人なら経験的に分かるかもしれません。でも、経験者であっても、「どうしてか詳しく説明して!」と聞かれたら「なんとなく」としか答えられなかったり、みんなが納得する理由をいうことが難しかったりすると思います。今回河合さんが行った研究は、「なんとなく」であった人間ピラミッドの構造についての感覚を、誰にでもわかりやすく説明するというものでした。

 調査として、河合さんは人間ピラミッドの人モデルを作り、人モデル一人あたりにかかる重さを上皿はかりで計測することにしました。最初に三段のピラミッドを考え、それぞれの人にどのくらいの重さがかかるのかの予想値を立て、それと実測値を比較するというものです。始めは実測値と予想値のズレがありましたが、予想の基底となる理論を考えなおすことで、だんだんと理論を正確なものへとして行きました。

 以上のような実験の結果、人間ピラミッドをする場合は端の方がかかる力が小さく中央のほうがかかる力が大きいということ、また、安定した人間ピラミッドを作るには左右のバランスを安定したものにするということを、河合さんは具体的な数値で表すことができました。

 今回の研究は、普通の人が「感覚ではわかっている」ということを、具体的に数値として計算することで、より客観的で信憑性のある結果を出した所が素晴らしいと思いました。「実際に人間ピラミッドを作ったときになんとなくこう思った」ということは人間ピラミッド経験者なら言えるかもしれませんが、具体的にデータを取って、それを噛み砕いて説明するということは簡単なことではないからです。

 また、河合さんは予想と実験結果が異なったときに予想自体を全否定するのではなく、予想値と実験で得られた測定値の差に注目することで新たな理論を立てました。新たな理論に基づいて次の仮説を立てたということで論理が徐々に厳密になり、最終的に誤差がとても小さなものになりました。

 研究は、そこで行った実験が全て成功するわけではありません。自分の予想と数値が合わなかったり、予想しなかった結果が出たりすることもしばしばです。しかし、そこで「合わなかったならしょうがない」と妥協するのではなく、「どうして予想と違う結果になったのだろう?」とより深化発展させることで、研究がより面白いものになるのだと思います。



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(文=菅野緑)


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