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科学自由研究のコンテスト受賞作品で「おもしろい!」と思った研究を紹介

はさみを振るカニの不思議

研究タイトル=小瀬川とその周辺の干潟のカニ−その生態と分布−
研究者=村本哲哉さん(中学3年生)

第37回日本学生科学賞 内閣総理大臣賞受賞

 ダンスしながら「ヘイ!カモン!」とでも言ってるかのようでした。チゴガニというカニの行動のことです(写真=手を振るチゴガニ)。それも、1匹や2匹ではなく、砂浜いっぱいに数え切れないくらいもいるのです。このカニダンス軍団を見せてもらって、「こりゃおもしろい」と思いました。こどもだったら、「どうして、カニさんは手を振るの?」と誰でも聞きたくなるに違いありません。でも、カニは応えてくれないので、調べてみたというのがこの研究だそうです。

 自宅近くの河口に広がっていた干潟。そこが、研究の舞台となりました。チゴガニがいっぱいです。真夏の炎天下で、手を振るカニ軍団の中、じっと動かずひたすらカニを見つめるひとりの男の子がいました。何をしていたかというと、カニを観察して、記録をとっていたのです。その記録の取り方は、ストップウオッチで5秒間隔に、ターゲットとしたカニが何をしたか記録するというものでした。こうすることで、カニの行動パターンを数値化することが可能となります。ひたすら、このような記録をとり続け、気温や天候などとの関連を考察してみるわけです(下図=そのときの記録用紙)。このような手法は、学校の先生からのアドバイスに基いて考え出したスペシャルメソッドでした。

 こうした観察データを解析したところ、ひとつの結論が出ました。チゴガニが手を振るのはナンパだったのです。メスの関心をひくためにオスは大きく手を振っていたわけです。しかも、メシの時間の5倍もの時間をかけて求愛していたという事実が浮かびあがってきました。この結論を教えてもらった私は「オスってかなしいな」と思ってしまいましたが、当時の村本くんはいったいどう思ったのでしょうか。

 この研究の優れているところは、観察に基づく数値化でしょう。観察日記になりがちな自由研究を、本当の意味での科学研究に仕上げています。結局、彼が、カニに「ヘイ!カモン!」と言われて入ってみた世界は「科学」の世界でした。彼によれば、カニの生態については、まだまだわからないことが多く、たとえば、メスがたまにはさみを振る行動について、調べてみるとおもしろいのではということです。誰か挑戦してみてはどうでしょう?

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(文=西本昌司)


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