なぜ、せんべいは湿気る?
研究タイトル=せんべいの湿気についての研究
研究者=池上亜希子さん(中学3年生)
第43回日本学生科学賞 内閣総理大臣賞受賞
「あ!このせんべい湿気ってる。」
誰もが一度はこんな体験をしたことがあるのではないでしょうか?確かに、袋からだしたばかりのせんべいと袋から出してしばらくしたせんべいでは食感が違います。「なぜ、せんべいは湿気るのだろう。」このように感じたことはありませんか?当時、池上さんも同じような思いになったようです。
せんべいの湿気に魅せられた池上さん。ここから彼女のせんべい調査が始まりました
「せんべいのことはせんべいの専門家に聞け。」と思った池上さんは、まずせんべいを扱っているお店に行き話しを聞くことにしました。お店では、湿気ることには十分注意を払っていることはわかりましたが、科学的根拠についてはわからないということだったようです。結局、湿気るという事実はみんな知っているのに根拠がわからないままでした。そこで、実際にどれくらいせんべいが湿気るのかを自分で実験することにしたようです。どのような実験をしたのか聞いてみたら、まず、湿度100%の実験箱を用意してその中に、生地・素焼き・しょうゆをぬったせんべいを入れてどれだけ湿気るのかを重さの変化から調べたとのことでした。すると、しょうゆを塗ったものが一番湿気ったとのことです。
そこで研究を終わりにしなかったことが池上さんの研究が優れていたところかもしれません。この事実から、しょうゆの成分の何が湿気る原因なのかを調べたそうです。この実験は丸いろ紙をモデルとして用いるという工夫がされており、感心してしまいました。この工夫がせんべいの湿気の原因を突き止めるターニングポイントとなったようです。この実験によると、「食塩+砂糖」という条件がせんべいを湿気らせるポイントでした。
最後に、池上さんはこのようなことを言っていました。それは、「科学研究を進めるには、アイディア1つで自分の知っている知識からわからないことが説明できるってことを学べました。」ということです。
皆さんも身近な疑問を自分のアイディアで解決してみませんか?
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(文=柴田恭幸)
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