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科学自由研究のコンテスト受賞作品で「おもしろい!」と思った研究を紹介

風車を回すには、形?大きさ?

研究タイトル=風と羽根のコラボレーション −その時、風車は回った!−
研究者=塚本真依(沖縄尚学高等学校付属中2年)

第46回自然科学観察コンクール 文部科学大臣奨励賞


「えっ、どうしてこんな形をしているの?」

 奇妙な形の羽根を持った風力発電機をテレビで見た塚本さん。普通はプロペラ部分が三枚羽根であるのに対し、それはらせん状の羽根が軸に取り付けられている変わったものでした。「この風車がどのように回るのか、条件によって生み出す電流・電圧はどのように変わるのか、調べてみよう!」

こうして、塚本さんは風力発電機の謎解きをはじめることにしました。けれど、実験を行なうには風力発電装置は勿論、いくつもの計測用の装置の準備が必要。それらの装置は到底一人ではつくれません。どうしようか悩み、塚本さんはお父さんと伯父さんに協力をお願いしました。そして、「あきらめず最後までやり遂げる」ことなどを条件に、熱意を受け止めた伯父さんが装置の製作を手伝ってくれることになり、家族をも巻き込んだ一大プロジェクトはスタートしました。

 しばらくして、羽根の取替えができる風力発電装置をはじめ、風の流れを作り出す風洞装置、伊能忠敬が発明した「象限儀」を工夫して開発したヨー制御1)確認装置など、次々と実験に必要な装置が揃いました。でもここからが本番!塚本さんは決して投げ出すことなく、「羽根の面積・質量・枚数・形状、それぞれの違いによって得られる電圧・電流はどのように変わるのか」を検証し、いくつもの小さな疑問を地道に解決していきました。結果として、「羽根の面積が大きいときや風が強いときは出力が大きい」ことをはじめ、風力発電機の性能に関わる、出力やピッチ角2)、向きの角度、回転数を左右する一般的な条件を解明しました。

 実験を行なう中で、塚本さんは自然のエネルギーである「風」を理解し、活用していくことの難しさを知ったといいます。今地球温暖化問題を解くカギとして注目されている風力発電ですが、発電力はそれほど高くなく、発電機の値段も安いとは言えません。残念ながら、塚本さんの実験ではらせん状の羽根を持った風力発電機はうまく回りませんでした。でももしかしたらそれに近い形状の羽根で、すごく効率がよく経済的な発電機が作れてしまうかもしれません。

 塚本さんはインタビューに対して、自分の研究を本当に熱心に語ってくれました。話し方で、研究を行なう過程で苦労した思いが伝わってきました。お父さん、伯父さん、お世話になった家族全員への感謝の気持ちも忘れていませんでした。一つの研究に対する彼女の粘り強さ、探究心は一流だと思います。実験に使う装置を自分主導で製作することからはじめ、基礎的なデータ収集と分析に努力を惜しまなかった塚本さん、素敵です!基礎から全ての応用ははじまります。今後の発展が楽しみです。

脚注:1) ヨー制御・・・風車を常に風の方向に向けるための方位制御。 2) ピッチ角・・・傾斜角をさす。  
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(文=矢野嵩典)


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