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科学自由研究のコンテスト受賞作品で「おもしろい!」と思った研究を紹介

お父さんの薬がみつからないっ!

研究タイトル=お父さんの薬がみつからないっ!
研究者=佐藤華純

第47回自然科学観察コンクール 秋山仁特別賞


 窪んだプラスチックに、アルミのフィルムで蓋をしてある、わたしたちがよく目にする錠剤のパッケージ。どこにでもあるこの錠剤のパッケージには、実はある不思議な性質があったのです。佐藤さんは、あるときお父さんの薬を探していて、錠剤のパッケージがいつも下向きになっていることに気がつきました。そのせいで、探している薬を見つけるのにいつも時間がかかっていたのです。そこで、本当に錠剤のパッケージは下向きになりやすいのか、そしてどうしたら薬を探しやすくなるかを調べてみることにしました。

 彼女が着目したのは、錠剤のパッケージの形でした。彼女のお母さんは、錠剤をとり出しやすいように、一列ごとにパッケージを切っていたので、細長い形になっていたのです。さらに形に注意しながら実験を繰り返していくうちに、細長いほどパッケージが反っていることに気がつきました。そこで佐藤さんは、細長くて反っているパッケージは重心がずれて、裏返りやすくなるのではないか、と予想を立てて、見事にそれを証明しました。

 彼女の研究のすごいところは、パッケージが本当に裏返りやすいのかどうかを、直感的な方法に頼らず、「カイ二乗検定」という統計学の方法を使って調べたことです。この方法を使うと、あることが起こるのが偶然か、そうでないのかを判定することができます。「カイ二乗検定」どころか、統計学は中学校ではもちろん習いませんが、佐藤さんはお父さんに協力してもらってこの方法を理解し、研究に活用しました。「難しくなかった?」という質問に、彼女は「一度解って覚えてしまえば、そんなに難しくなかった」と事も無げに答えてくれました。

 この研究を指導した佐藤さんのお父さんは「子供の頭は想像以上に柔らかい。科学研究において『子供には無理』という偏見は捨てなければいけないことを実感した」と語っています。学校ではまだ勉強していないから、まだ中学生だから、といった枠にとらわれずに、「なんでだろう?」と思ったことを追求する。これこそまさに「科学する心」ではないでしょうか。


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(文=早水悠登)


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