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色あせを防ぐには?―色の科学の不思議−

研究タイトル=塩基性下におけるアントシアニンの色調安定化に関する研究
研究者=清田智美さん・伊藤有紀さん・石川愛さん

第46回日本学生科学賞 文部科学大臣賞

 色の科学は見た目にも美しく、そこには不思議な魅力があります。皆さんも何色もの絵の具で絵を描いたり、草木染めで遊んだりしたことがあるでしょう。このようなインクや染料の色は、天然の色素の場合も人工的に合成されている色素の場合も、含まれる色素の化学構造で決まっています。一方、時間が経つと始めは鮮やかだったインクなどの色があせてしまうこともあり、この現象は‘退色’と言われています。退色は、空気中の酸素や水分などにより色素の化学構造が変化してしまうことで起こります。ですからインクの開発においては、鮮やかな色が長持ちするように様々な工夫がなされています。

 筑紫高校のメンバーは、多くの花や果実に含まれている色素であるアントシアニンを抽出し、色の科学を研究しました。アントシアニンの水溶液は実はpH指示薬にもなり、酸性では赤・アルカリ性では青色を示しますが、このときアルカリ性の青色だけがすぐに退色してしまいます(図を参照)。そこでメンバーは、アントシアニンがアルカリ条件下においても退色せずに鮮やかな青色を保つためにはどうしたら良いのかを研究しました。まずアントシアニンの青色の退色の原因が酸化によるものであることを突き止め、次にこの酸化によるアントシアニンの退色を防ぐ方法として金属イオンの添加が有効であることを発見しました。アントシアニンの青色の退色が水溶液ではすぐに起こってしまうのに対し、紙の上にその青色を付けると退色が進行しにくかったことから、その紙の成分のひとつであったアルミニウムイオンに注目したのです。そして色々な金属イオンの効果を試したところ、アルミニウムイオンが最も有効であることがわかりました。青色の退色防止に成功したのは、アントシアニンがアルミニウムイオンと結びつくことで錯体という化合物に変化し、酸化しにくくなったからでした。

 皆さんも身近な色の科学の不思議を研究してみませんか?注意深い観察をすることでおもしろい発見が待っているかもしれません。

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(文=千田直子)


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