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科学自由研究のコンテスト受賞作品で「おもしろい!」と思った研究を紹介

どうして狼煙(のろし)の煙は高くなるか

研究タイトル=長篠の戦い
鳥居強右衛門が狼煙にこめたメッセージの謎〜なぜ狼煙の煙は高く上がるのか〜
研究者=刈谷市立雁が音中学校 科学部

第50回自然科学観察コンクール 1等賞

 みなさんは長篠の戦いをご存知ですか。織田信長・徳川家康連合軍と武田勝頼軍との間で起こった戦いで、鉄砲隊の話で有名です。また、長篠城主の家臣である鳥居強右衛門の働きにより、長篠城が落城しなかったという史実も残っています。強右衛門は織田・徳川連合軍に援軍を要請するために落城寸前に長篠城を抜け出し、城から約30?q離れた雁峰山で、脱出・援軍要請成功を知らせる狼煙を上げました。それにより、城に残った味方の士気が高まり落城を免れ、その後織田・徳川連合軍が武田軍に勝利したというものです。

   この話を聞くと、「歴史の話をしているんだね」とか「社会で勉強した気がする」と思う人もいるかも知れません。しかし、雁が音中学校科学部狼煙班のメンバーは、「約30kmも離れたところから狼煙を上げて、本当に見えるの?」という疑問を持って、理科の研究をスタートすることになりました。

 初めはインターネットを見たり、実際に狼煙を上げてみたり、花火屋さんにインタビューして、「どうして狼煙が高くなるのか」ということを調べようとしましたが、はっきりと分からなかったそうです。ここで諦めたら研究は進まなかったでしょうが、発想を切り替えてモデル実験で煙の動きを観察することにしました。一口にモデル実験と言っても、全部が全部同じなのではありません。7つの仮説を立てた上で、それぞれの仮設を検証するために、温度・圧力・空気抵抗・煙の成分などといった煙の特徴の一つ一つを化学的・物理的に分析していった上でのものでした。

 以上のように実験を繰り返すことによって、狼煙が高く上がる理由として2つの結論が導かれました。一つ目は、狼煙そのものの熱量が大きいためであるということ。二つ目は、狼煙の熱を伝播しながら煙が上がっていき、煙が空気の疎の部分を見つけ、回転しながら上昇していくためであるということでした。

 学問は、ひとつの分野から成り立っているわけではありません。ある一つのものを研究したとしても、それが複数の分野にまたがっていることは珍しくありません。今回の研究も、部員の一人が社会の授業で長篠の戦いを学んだ時に、「30km近くも離れたところから狼煙が見えるのかな?」と疑問に思ったことが始まりで、化学や物理と言った理科の学問へと繋がって行きました。つまり、研究は理科や数学だけの特権では無いんです。例えば、国語・社会・英語・音楽などの教科であっても、気になったことを調べればそれは研究です。みなさんも、疑問に思ったことをどんどん調べてみてはいかがでしょうか。



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(文=菅野緑)


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