ホナミの研究日記 -1匹目-
私の高校では、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)という科学に力を入れた試みの一環として、授業の中で研究が取り入れられている。一年生の後期になるとグループ研究が始まる。私は生物に興味があったので、キイロショウジョウバエの遺伝基礎実験を選択した。ショウジョウバエとは、2~3mmと小さく、一代の期間が数十日と短いということで、生物実験でよく使われる生き物である。いわゆる、目が赤い小さいハエ。そして、初めてハエを飼うことになった。家の生ごみにやってきていたのを除いて(笑)。
ハエは餌を底に入れたビン(写真参照)の中で飼育する。ビンの中にたくさんのハエが飛び交うのを見て、こんなに小さな虫でどうやって実験していけばいいのだと思った。すぐに飛んで逃げてしまいそうだし、オス、メスを見分けるのが大変そうだし・・・ましてや解剖なんて無理そう。日に日に増えていくような気がするハエの数…。増えすぎてすぐに餌はなくなるし、扱いが大変!!ハエを新しい餌の入ったビンに移そうと思い、スポンジのふたを外したとたん!!ブーンとハエが逃げる逃げる。慌てる私。この先が思いやられた。
グループ研究に使うハエを飼うために、毎日世話をするのが日課になり始めた頃、怪しい色をした瓶が!!もしや……… その予想は的中。カビが生えていた。もうどうしたらいいかわからなくなってしまったけど、とにかく滅菌し、無事解決した。
そんな毎日が続く中、実験で遅くなりお腹が空いていたある日にことは起こった。友達と「食べちゃう??」「食べてみる??笑」ハエの餌をほんの少し・・・パクッッ。う~ん。うふふ。なんだかハエとの距離がぐっと縮まった気がした。