夢を与えてくれた科学自由研究

夢を与えてくれた科学自由研究

山口晴代

 

 私は高校生のときに研究する機会に恵まれ、ヒカリモという単細胞藻類の研究をしていました。主にヒカリモがどのような環境に適した生き物なのかということについて調べましたが、これをまとめ、学生科学賞に応募した結果、高校生のための科学の世界大会であるIntel ISEFに出場する機会を得ることができました。もちろん、世界大会に出場したことは科学研究に対する意識、簡単に言えばスポーツだけが華々しい世界なのではないことに気づかせてくれましたが、それ以上に高校で毎日この研究に取り組んだ過程を評価されたことが私の大きな自信となったことは言うまでもありません。
ヒカリモ

高校生のときに研究をしてから、まもなく4年が経とうとしています。いまだにそのときの研究を 続けているわけではありませんが、そのときの研究材料であった藻類にさらに興味が沸き、現在は大学で生物の勉強をしています。とりわけ、大学の設備を利用して自ら藻類の勉強を進んで行なうなどしています。
高校生のときの興味から始まって、今では藻類の種多様性や形態の美しさに翻弄され、恥ずかしながら、将来、藻類の研究者になるのが私の夢となりました。正直、自分が研究者になれる自信なんてありません。しかし、高校生のときに味わった研究することの楽しさが忘れられなくて、この夢に向かって頑張っていこうと思っています。
私にとって、高校生のときに夢中になれるものに出逢えたことは幸せなことでした。中高生のみなさん、科学自由研究に限らず、何か夢中になれるものを見つけて下さい。それがもし、科学自由研究であったなら、力の限り応援したいと思います。

 山口さん(右)
科学自由研究まつりにて

(やまぐち はるよ:2000年日本学生科学賞文部科学大臣奨励賞、2001年Intel ISEF 共同研究部門Grand Award4等賞)